2025.02.10

SAP S/4HANA インストール紹介(第九回目:その他対応)

はじめに

SAP S/4HANA インストール紹介の第九回目となります。

No内容
1SAP S/4HANA検証環境構成の紹介とOS設定について
2SAP HANAのインストールとSAP S/4HANAとの同居の場合のメモリ設定
3SAP S/4HANAインストール(SWPM実行)
4SAP S/4HANAインストール後後処理①
5SAP S/4HANAインストール後後処理②
6FPS適用①
7FPS適用②
8FPS適用後後処理
9その他対応

今回は、その他対応として実施する内容についての紹介となります。

その他対応

①クライアントコピー

FPS適用対応まで完了したら、クライアントコピーを実施して、マスタクライアントやその他用途ごとに使用するクライアントを作成します。
FPS適用対応完了後に実施することで、各クライアントで実施が必要となる後処理を実施済みの状態でコピーできるというメリットがあります。

②標準ジョブスケジュール

トランザクションコード:SJOBREPOにて、必要となるジョブのスケジュールを実施します。
基本的には、そのシステムにて必要となるジョブは自動的に判断され、ジョブスケジュールが実施されます。
実施内容については、SAP Note 3236399 をご確認ください。

③パラメータ設定

SAP S/4HANAおよびSAP HANAのパラメータ設定を実施します。
実施内容については、SAP Note 2600030 を確認し、構築したシステムに該当する推奨パラメータを設定します。
また、SAPプロファイルパラメータにて、PHYS_MEMSIZEは8192に設定していましたが、SUM処理が完了したため、その分を除いて設定していた分についても、パラメータ修正します。

④テナントデータベースの削除

SAP HANAインストール完了時点で、SYSTEMDBとSAP HANAインストール時に指定した<DBSID>の名称でテナントデータベースが作成されています。
<DBSID>のテナントデータベースについては、使用しないデータベースであるため削除します。
SAP S/4HANAインストール時に<DBSID>のテナントデータベースにインストールすることも可能ですが、SAPSIDとDBSIDが一致しないことにより運用時に間違いが起こる可能性があるため、<DBSID>のテナントデータベースは使用しません。
また、削除を実施することにより、上記の間違いが起こる可能性をなくし、SAP HANAにて使用されるメモリと<DBSID>のデータベース分のディスク容量を開放することが可能です。

以下のクエリをSYSTEMDBから実施することで削除が可能です。
対象のテナントデータベースを停止後に、バックアップを含めてデータベースの削除を行います。
 ALTER SYSTEM STOP DATABASE <DBSID>
 DROP DATABASE <DBSID> DROP BACKUPS

⑤SWPM、SUMディレクトリの削除

しばらく稼働後に問題ないと判断した時点で、SWPMとSUMのディレクトリの削除を実施して、ディスク容量を解放します。

以上で、新規インストール時に実施する作業についての紹介は終了となります。
今まで紹介した内容は、新規構築時に対応する最小限の内容となります。その他要件・要望に応じて、各種設定対応の実施が発生することもあります。

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