SAPログについて(SAP HANA、SAP ASE)

SAPシステムではインストール後から様々な情報がログとして記録されるようになっています。
今回はSAPアプリケーションではなく、SAP社が提供しているデータベース製品における一般的なログについて説明します。
※REDOログは対象外となります。
■ SAP HANA
SAP HANAデータベースのログについて説明します。
1.データベーストレースファイル
SAP HANAデータベースの状態、アクションに対する重要な情報が記録されるトレースログ。
主にSAPサポートの評価を目的としているが、データベース内で何が起こっているかを把握することに利用できます。

トレースファイルは、SAP HANAのサービス(プロセス)単位で作成され、以下の命名規則で作成されます。
<サービス名><ホスト名>.<ポート番号><番号>.trc
例) indexserver_AAA.30240_000.trc
トレースファイルは、SAP HANA Studioまたは、SAP HANA Cockpitから確認することができます。
SAP Note 2380176 – FAQ: SAP HANA データベーストレース
SAP Note 3314507 – HANA trace files location
データベーストレースは、ファイル数とファイルサイズを制限することで、トレースファイルが無制限に大きくなるのを防ぎます。
トレースファイルのローテーションは構成ファイルにて設定します。全てのサービスに対して設定する場合はglobal.ini構成ファイルで設定します。個々のサービスごとに設定する場合は各サービスの構成ファイル(indexserver.iniなど)で設定します。

SAP Note 3265996 – How To: Configure Trace File Rotation in SAP HANA
2.backup.log/backint.log
backup.logにはデータのバックアップ、REDOログのバックアップおよびバックアップカタログに関する情報、リカバリ操作に関する情報が記録されてます。
backint.logにはBackintエージェントのアクティビティに関する情報が記録されてます。 Backintエージェントを呼び出すために使用されたすべてのパラメータと返された値が記録されます。Backint エージェントが呼び出されるたびに 、コマンドパラメータと戻りコードが backint.logに記録されます。
backup.log/backint.logはデータベーストレースファイルと同じディレクトリに格納されています。
ログの内容は、SAP HANA StudioまたはSAP HANA Cockpitから確認することができます。
ファイルはデフォルトではサイズ制限などはなくローテーションされません。自動でファイルのローテーションを有効にする場合はglobal.ini構成ファイルにパラメータを設定することでローテーションを有効にすることができます。

SAP Note 1642148 – FAQ: SAP HANA Database Backup & Recovery
SAP Note 2797078 – How to configure the size of the HANA Backup files backup.log and backint.log
SAP Help Portal – Diagnosis Files for Backup and Recovery
3. Backup Catalog
Backup CatalogにはSAP HANAデータベースのバックアップ履歴に関する情報が記録されています。
Backup Catalogにより、以下のことが判断できます。
・リカバリ可能か
・データベースのリカバリに使用するバックアップ
・リカバリに不要になったバックアップ
Backup CatalogはSystem DB、Tenanta DBそれぞれで独自で存在します。
デフォルトでは、Backup Catalogはログバックアップと同じ保存先に格納されており、global.ini構成ファイルに以下のパラメータで変更が可能です。

Backup CatalogはSAP HANAデータベースのバックアップが作成されるたびに、Backup Catalogがバックアップされてバージョン管理されます。このためBackup Catalogの最新バージョンには常にバックアップ履歴全体が含まれます。
Backup Catalogはバックアップが作成されるたびに、Backup Catalog自体もバックアップされるため、サイズが肥大化していきます。このため、定期的にBackup Catalogを削除する必要があります。
Backup Catalogは自動では削除されないため、HANACleaner、SQLクエリ、SAP HANA Cockpitから削除する必要があります。
SAP Note 1642148 – FAQ: SAP HANA Database Backup & Recovery
SAP Note 2399996 – How-To: Configuring automatic SAP HANA Cleanup with SAP HANACleaner
SAP Note 2096851 – Backup related Housekeeping using HANA Studio
SAP Help Portal – Backup Catalog
SAP Help Portal – Parameters for Backing Up the Backup Catalog
SAP Help Portal – Delete Backups
4.SAP HANA Alerts
SAP HANAでは統計サーバがSAP HANAデータベースの内部監視インフラストラクチャとして動作しています。統計サーバによってSAP HANAデータベースの状態は監視されており、システムリソースの状態、サービス、コンポーネントのステータスなどを監視して、システムで重大な状況が発生した時に、アラートとして通知されます。
アラートはSAP HANA StudioまたはSAP HANA Cockpitから確認することができます。
SAP Note 2147247 – FAQ: SAP HANA Statistics Server
SAP Note 2445867 – How-To: Interpreting and Resolving SAP HANA Alerts
SAP Help Portal – Monitoring Alerts
SAP Help Portal – The Statistics Service
■ SAP ASE
SAP ASEデータベースのログについて説明します。今回説明するSAP ASEは、SAP ASE for Business Suiteを対象としています。
1.ASEエラーログ
SAP ASEの起動、停止およびエラーが記録されるログ。
Windows環境では1つのファイルに記録します。Linux環境では起動ごとにファイルが作成されます。
ファイルは以下に格納されています。

2.Backup Server エラーログ
SAP ASEのBackup Server の起動、停止およびエラーが記録されるログ。
バックアップやリストアで問題が発生した場合に情報が記録されていますので、このログを確認することで原因特定の手助けになります。
ファイルは以下に格納されています。

3.Job Scheduler エラーログ
SAP ASEでスケジュールされたジョブが予期せずに実行された時の情報、実行エラーが記録されるログ。
スケジュールされたジョブが予期せずにエラーになった場合に情報が記録されていますので、 このログを確認することで原因特定の手助けになります。
ファイルは以下に格納されています。

4.開発者トレースログ
SAP ASEのシステム実行に関する情報が記録されたログ。
SAP S/4HANAなどと同様にSAP ASEでも開発者トレースログが用意されています。
トレースファイルは以下に格納されています。

参考
SAP Note 2505797 – Information about logs and trace files for SAP ASE for Business Suite