SIDとインスタンス番号
今回は、SAPシステムにおけるSIDとインスタンス番号について、ご説明して行きます。
※SIDとインスタンス番号は基本的にはSAP Netweaverベースまたは、ABAP Platformベースの製品とSAP HANA製品のみに該当します。
■ SID
SIDとは『SAP System ID』の略で、SAPシステムを識別するためのIDとなります。
SIDはSAP製品のインストール時(SWPM)に指定します。
SIDの指定は以下のルールに従って指定する必要があります。
① 一意であること (※1)
② 3文字の英数字であること
③ 1文字目は英文字であるとと。数字は使用できません
④ 予約済みIDは使用できません (※2)
※1:システムランドスケープ内で一意である必要があります。別システムランドスケープであれば同じSIDを使用することは可能です。ただし、同一ホスト上に複数のSAP製品を導入する場合は同じSIDは使用できません。
※2:以下のSIDは予約済みのため使用できません。
ADD、ADM、ALL、AMD、AND、ANY、ARE、ASC、AUX、AVG、BIN、BIT、CDC、COM、CON、DAA、DBA、DBM、DBO、DTD、ECO、END、EPS、EXE、FOR、GET、GID、IBM、INT、KEY、LOG、LPT、LIB、MAP、MAX、MEM、MIG、MIN、MON、NET、NIX、NOT、NUL、OFF、OLD、OMS、OUT、PAD、PRN、RAW、REF、ROW、SAP、SET、SGA、SHG、SID、SQL、SUM、SYS、TMP、TOP、TRC、UID、USE、USR、VAR
指定できない理由は以下のSAPノートを参照して下さい。
SAP Note 1979280 – Reserved SAP System Identifiers (SAPSID) with Software Provisioning Manager
■ インスタンス番号
以下のレイエントブログでご説明している通り、SAPシステムは複数のインスタンスで構成されており、インスタンス番号は、これらのインスタンスを識別するための番号となります。
(参考)レイエントブログ:SAPインスタンス構成
インスタンス番号は以下のルールに 従って指定する必要があります。
① 00~97までの2桁の数字であること
② 43、89、98、99は使用不可 (※3)
③ 同一ホスト上で一意であること (※4)
※3: 以下の番号は使用できません。
43・・・高可用性のポートの一部で使用されているため
89・・・Windowsターミナルサーバのポートの一部で使用されているため
98・・・SAP Diagnostics Agentで予約されているため
99・・・SAProuterで予約されているため
※4: インスタンス番号はSAPシステムが実行するプロセスの技術識別子として使用されるため、同一ホスト上に複数のインスタンスを実行する場合はインスタンス番号をそれぞれ一意に設定する必要があります。