Tableau Desktopの小ワザ紹介 一つのフィルターで「日付が一致する」シートと「日付以前/日付以降」シートの両方を制御する方法③
前回の記事では「ある日付を選択すると「月の売上」シートにはその年月の売り上げを、「推移グラフ」シートにはその日付までの2年間分のデータを表示」させ、かつその日付の選択が1度で済むようにする方法をご紹介しました。
実際には会計年度を切り口としてデータ分析することがほとんどだと思います。そこで、今回は「推移グラフ」側のフィルター条件を「選択した日付の年度とその前年度のデータを表示」としたい場合の設定方法をご紹介していきます。
なお、日付パラメーターの作成と「月の売上」シートの設定は前回と同じため割愛し、この記事では推移グラフ側の設定について言及していきます。
※今回は会計年度が4月始まりと仮定してご紹介しますが、5月や6月始まりなどの場合でもやり方は同じです。
※注意…Tableauがデフォルトでサポートしている「会計年度の開始」設定を使って設定していきますが、このTableauの「会計年度の開始」を設定すると、表示される年度が1年度ずれてしまいます(Tableauの仕様です)。
もしずれても気にしない場合(シート上に年度を表示する必要がない場合や、急ぎ分析をしなくてはならない
場合)は「パターン1」を、ずれると困る場合はパターン2を参照してください。
パターン①、パターン②共通
手順①日付パラメーターを参照する計算フィールドを作成する
以下のような式の計算フィールドを作成します。
手順②作成した計算フィールドに会計年度の設定を行う
手順①で作成した計算フィールドを右クリックし、既定のプロパティ→会計年度の開始 から4月を選択します。
(4月始まりではない場合、設定したい会計年度の始まりの月を選択してください。)
手順③作成した計算フィールドからカスタム日付を作成する
手順①で作成した計算フィールドを右クリックし、作成→カスタムの日付… を選択します。
カスタム日付の作成用ポップアップが表示されるので、以下のように設定しOKをクリックします。
詳細…
プルダウン…年
ラジオボタン…日付値
※詳細を設定すると名前が自動で変わります。
任意の名前に変更したい場合は適宜修正してください。
「日付パラメーターの値」フィールドを元にしたカスタム日付フィールドが作成されました。
これ以降の手順はパターン1とパターン2で異なります。要件に合う方をご参考ください。
パターン1 表示される年度がずれても問題ない場合
パターン1 – 手順④「オーダー日」フィールドに会計年度の設定を行う
「オーダー日」を右クリックし、既定のプロパティ→会計年度の開始 から4月を選択します。
(4月始まりではない場合、設定したい会計年度の始まりの月を選択してください。)
パターン1 – 手順⑤「オーダー日」フィールドからカスタム日付を作成する
「オーダー日」フィールドを右クリックし、作成→カスタムの日付… を選択します。
カスタム日付の作成用ポップアップが表示されるので、以下のように設定しOKをクリックします。
詳細…
プルダウン…年
ラジオボタン…日付値
※詳細を設定すると名前が自動で変わります。
任意の名前に変更したい場合は適宜修正してください。
「日付パラメーターの値」フィールドを元にしたカスタム日付フィールドが作成されました。
パターン1 – 手順⑥フィルター用の計算フィールドを作成する
以下の式の計算フィールドを作成します。
CASE [日付パラメーターの値 (年)]
WHEN [オーダー日 (年)] THEN TRUE
WHEN DATEADD(‘year’,1,[オーダー日 (年)) THEN TRUE
ELSE FALSE
END
パターン1 – 手順⑦「月の売上」シートのフィルター条件を設定する
「推移グラフ」シートを表示します。
元々設定していたフィルターは不要なので削除します。
新しく作成したフィルター用計算フィールドをフィルターシェルフに載せます。
フィルター条件設定用のポップアップが表示されるので、「真」を選択してOKをクリックします。
選択した年度とその前年度の日付データのみが表示されました。
次回はパターン2「表示される年度がずれると困る場合」をご紹介します。※急ぎで数値分析をしなくてはならない場合を除き、基本的にはパターン2での実装がおススメですので、ぜひ次回の記事もご参照ください。